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2016 年度 実施状況報告書

歯周病を介した心筋梗塞の新しい発症メカニズムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K09088
研究機関熊本大学

研究代表者

副島 弘文  熊本大学, 保健センター, 准教授 (80332881)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード歯周病 / 急性心筋梗塞 / 冠動脈内血栓
研究実績の概要

歯周病菌が冠動脈プラークの形成に関与している可能性は指摘されているが、それを証明するデータは少ない。それを証明するために冠動脈内血栓からの歯周病菌の検出を試みている。
心筋梗塞を発症した患者が熊本大学循環器内科に入院してきた際に、冠動脈造影を行い、血栓があれば血栓吸引を行う。通常は廃棄されるその血栓をすぐに凍結保存して、後日、3つに分ける。1つ目の血栓は文献より歯周病菌のプラーマーを準備し、Porphyromonas gingivaris, Prevotella intermedia, Aggregatibactor actinomycetemcomitansの歯周病菌のリボゾームのDNAの検出を行った。また、次の血栓からはこれら3つの歯周病菌のリボゾームのRNAの検出を行った。歯周病菌の遺伝子はリボゾームの遺伝子により特異性があるとされている。残りの血栓を用いて免疫科学組織染色を行い、歯周病菌の検出を行った。
心筋梗塞や冠動脈形成術を受けた患者および比較のため、それ以外の患者から血液サンプルを得て炎症メディエーターであるTNFαを測定した。これは歯周病による炎症の程度を反映しているものと思われる。患者の血液凝固能を判定するために血中の組織因子やD-dimerを測定した。これにより血栓のできやすさが判定可能である。また、歯周病菌が血中に入っているかどうか確認するため血中エンドトキシン濃度を測定した。最近、高感度の測定法が開発されて測定可能となった。これらのデータと歯周病重症度の関連を検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

冠動脈内血栓の取得できた患者さんが少なかった。地震の影響を受けて一時研究がうまくできなかったことも関係している。

今後の研究の推進方策

急性心筋梗塞や狭心症の患者の循環器内科の患者受けいれは増加してきており、今後は血栓取得も増加すると思われる。採血や歯科受診はこれまで通りしっかり行っていく。これまで蓄積した心筋梗塞患者や狭心症患者の検体の測定をすすめていく。

次年度使用額が生じた理由

昨年生じた熊本地震の影響で研究が遅れてしまった。

次年度使用額の使用計画

現在、研究の進展度は回復傾向にあり、学会発表や論文発表を目指している。昨年は学会発表もできず、旅費を使うこともなかったが、今年は学会発表を行うところまでは研究を進展させる予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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