研究課題
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、全身性炎症疾患であり、心血管系疾患に対しても多大な影響を及ぼす。心不全患者の生命予後はCOPD 合併により著しく低下することが報告されているが、そのmalignant circuit の詳細については不明確な点が多い。我々はCOPD の合併した心不全患者より得られるサンプルを用いて、全身性炎症疾患であるCOPD が心機能に与える影響を炎症マーカーや心エコーによる評価を用いて検討し、COPD に対する治療介入によりその指標がどのように変化するか調査し、malignant circuit の詳細を究明する計画である。平成27年度は、本研究のために、新たにデータベースを構築し、心不全入院患者の安定期における呼吸機能検査後の登録と臨床データの収集、整理を中心に行った。対象者の登録は、当学附属病院で心不全と診断されて、同意の上で心不全に対する標準的薬物治療を行い、心不全が軽快して安定した症例とし、心不全軽快後の比較的安定した時期にスパイロメトリーを行い、登録を行った。研究用の採血に同意が得られなかった症例は除外した。患者の臨床データ(病歴、各種検査成績、予後を含む経過、治療内容、服薬内容等)を収集し、構築したデータベースに登録。登録時には心エコーによる計測また、血液サンプルの採取を行う。得られた血液サンプルは当講座研究室の遠心分離機で血漿成分を分離後に、滅菌されたマイクロチューブに分注し直ちに-20℃の冷凍庫に保存した。データーベースは本研究用に新たに購入したパソコンにて管理を行う様にした。
2: おおむね順調に進展している
平成27年度は、本研究のために、新たにデータベースを構築し、新たに購入したパソコンにて管理を行う様にし、COPD患者の登録を行っている。登録症例については、本学の心不全入院患者の安定期における呼吸機能検査後の登録と臨床データの収集を行っている。患者の臨床データ(病歴、各種検査成績、予後を含む経過、治療内容、服薬内容等)を収集し、構築したデータベースに登録。登録時には心エコーによる計測また、血液サンプルの採取を行い、得られた血液サンプルは当講座研究室の遠心分離機で血漿成分を分離後に、滅菌されたマイクロチューブに分注し直ちに-20℃の冷凍庫に保存している。
平成28年度は、平成27年度に引き続き、心不全入院患者の安定期における呼吸機能検査後の登録と臨床データの収集、整理を行い、さらに得られた血液サンプルが一定数に達したら、ELISA法によりpentraxin 3(PTX3)とneopterinの濃度測定を行う。心不全の原因精査の目的にて心臓カテーテル検査で心筋生検を実施した場合は、心血管カテーテル室でホルマリン固定し、後日、抗PTX3抗体および抗neopterin抗体を用いた免疫組織染色に供する予定である。
試薬の購入が予定より若干少なかった。
次年度の試薬購入費にあてる予定である。
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