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2015 年度 実施状況報告書

循環器疾患患者の終末期医療に関する意思決定を支援する体制を構築するための研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K09091
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

岡山 悟志  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (40445052)

研究分担者 岡本 恵介  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (90745423)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード終末期医療 / アドバンスケア
研究実績の概要

2014年から2015年の間に死亡退院した高齢患者を対象に,1)終末期医療の内容が誰によって決定されたのか?,2)終末期医療についての話し合いがいつ行われたのか? について調査した.対象患者66例(79.0 ± 7.4歳,男性43例)には11例の来院時心肺停止患者が含まれており平均在院日数は22.1 ± 35.7日であった.終末期医療は2例で患者本人により,30例で家族により決定されていた.34例では話し合う前に急変し蘇生処置が行われた.入院日から話し合いまでの期間は16.7 ± 35.2日であった.以上から,終末期医療についての希望を患者本人に確認できていないことが明らかになった.
次に,病状が安定している高齢患者を対象に終末期医療についての希望を調査した.高齢者100例(75.7 ± 6.1歳,男性65例,女性35例)に対して希望調査を行うことができた.終末期医療の希望場所は大学 57%,一般病院 9%,施設 3%,自宅 28%であり,希望処置は,鎮痛や鎮静 74%,胸骨圧迫 23%,気管挿管 18%,除細動 27%,人工呼吸器 19%,心肺補助装置 8%,ペースメーカ 17%,透析 15%,胃瘻による栄養 5%であった.終末期医療について家族と話し合ったことがない患者は60%であり,医療関係者との話し合いを希望しない患者は28%であった.
本年度は下記の事項が明らかになった.循環器・腎臓・代謝内科では心肺停止状態で救急搬送される患者や,治療途中に急変し蘇生処置が行われる患者が少なくないため,終末期医療についての希望を患者本人に確認することが困難になっている.終末期医療についての希望を患者本人に事前に確認することが重要であるが,そのような話し合いを希望しない患者が少なからず存在する.今後はアドバンストケア・プラニングの重要性を非癌患者に対しても啓蒙していくことが重要である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

調査対象患者数をさらに増やしていく必要がある.次回の日本老年医学会総会と日本内科学会総会で発表を予定している.

今後の研究の推進方策

調査対象患者数を増やし,患者背景が終末期医療の希望に影響を与えているかどうかを明らかにする.さらに,調査対象患者が死亡したとき,本研究でのアンケート調査が患者の終末期医療に実際に役立つかどうかを検証する.

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公開日: 2017-01-06  

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