研究課題/領域番号 |
15K09091
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
岡山 悟志 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (40445052)
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研究分担者 |
岡本 恵介 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (90745423) [辞退]
中川 仁 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20533730)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 終末期医療 / アドバンスケア |
研究実績の概要 |
本年度は,第27回 日本老年医学会 近畿地方会と第114回 日本内科学会総会で「循環器内科における終末期医療の問題点と終末期医療の希望調査について」を報告した. 終末期医療についての希望調査は2017年3月までに344人の患者(高齢者282例,非高齢者 62例)に実施することができた.終末期を迎える場所として,高齢患者の52.5%が大学病院,9.1%が一般病院,1.7%が施設,37.0%が自宅を希望した.一方,非高齢患者の44.0%が大学病院,8.0%が一般病院,12.0%が施設,36.0%が自宅を希望した.高齢患者の76.0%,非高齢患者の85.5%が緩和医療を希望した.高齢患者では非高齢患者に比して蘇生処置を希望しない人が有意に多かった(胸骨圧迫 73.1% vs 54.6%,p < 0.01,気管挿管 81.4% vs 56.4%,p < 0.001,電気的除細動 73.9% vs 52.7%,p < 0.005).しかしながら,その一方で,90歳以上の高齢患者であっても約40%の人が胸骨圧迫と電気的除細動を,約20%の人が気管挿管を希望した.終末期医療について家族と話し合ったことがない高齢患者は56.3%であり,医療関係者との話し合いを希望しない高齢患者は35.5%であった. 高齢患者では非高齢患者に比して蘇生処置を希望しない人が有意に多かったが,それでも約20-30%の人は蘇生処置を希望している.終末期医療の方針を一律に年齢で決定することは難しく,患者本人に事前に確認することが重要である.アドバンスケア・プラニングの重要性を啓蒙していくことが重要である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査対象患者数をさらに増やしていく必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
調査対象患者数を増やし,患者背景が終末期医療の希望に影響を与えているかどうかを明らかにする.次に,終末期医療の希望内容が経時的に変化するかどうかを明らかにするため再調査を行う.最後に調査対象が死亡したとき,本研究でのアンケート調査が患者の終末期医療に実際に役立つかどうかを検証する.
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