研究実績の概要 |
60名の閉塞性肥大型心筋症の登録を行った。血清線維化および炎症マーカー(プロコラーゲンIII、I型コラーゲンC-テロペプチド、I型コラーゲン-N-プロペプチド、ペントラキシン3、高感度C反応性蛋白)の測定(ベースライン)を行った。対照群については次年度に測定予定とした。ICD植込み症例以外の心臓MRI(遅延造影法,LGE)を施行した。Ziostation2を用いたLGEの有無、LGE定量および心筋重量に対するLGEの割合の解析については未施行であり、次年度に予定している。なお、登録症例の患者背景、背景因子(年齢、突然死および肥大型心筋症の家族歴の有無、高血圧の有無など)、治療内容 (ベータ遮断薬, カルシウム拮抗薬,抗不整脈薬内服の有無)の聴取を行った。通常診療範囲内で行われる以下の検査所見についても情報収集を行った。a)安静時12誘導心電図および胸部レントゲン写真。b)血液検査(脳性ナトリウム利尿ペプチド, クレアチンホスホキナーゼ,トロポニンT, C反応性蛋白他)。c)検尿。d)心臓超音波検査(左室駆出率、拡張および収縮末期径、壁厚[中隔、後壁]、左室流出路圧較差、僧帽弁閉鎖不全の程度[軽症、中等度、重症])。 今年度は、登録症例につき血清線維化マーカーおよび心臓MRI所見の統計解析とも未施行であったため、次年度に予定している。解析結果より左室流出路狭窄の有無と左室の線維化との関連が明らかになれば有意義であると考えている。
|