研究実績の概要 |
96名の閉塞性肥大型心筋症の登録を行った。血清線維化および炎症マーカー(プロコラーゲンIII、I型コラーゲンC-テロペプチド、I型コラーゲン-N-プロペプチド、ペントラキシン3、高感度C反応性蛋白)の測定を行った。ICD植込み症例以外の心臓MRI(遅延造影法,LGE)を施行した。LGEの有無、LGE定量および心筋重量に対するLGEの割合の解析を行った。なお、登録症例の患者背景、背景因子(年齢、突然死および肥大型心筋症の家族歴の有無、高血圧の有無など)、治療内容 (ベータ遮断薬, カルシウム拮抗薬,抗不整脈薬内服の有無)の聴取を行った。 通常診療範囲内で行われる以下の検査所見についても情報収集を行った。a)安静時12誘導心電図および胸部レントゲン写真。b)血液検査(脳性ナトリウム利尿ペプチド, クレアチンホスホキナーゼ,トロポニンT, C反応性蛋白他)。c)検尿。d)心臓超音波検査(左室駆出率、拡張および収縮末期径、壁厚[中隔、後壁]、左室流出路圧較差、僧帽弁閉鎖不全の程度[軽症、中等度、重症])。
昨年度は、左室流出路狭窄が心筋線維化に及ぼす影響を論じる前段階として中隔心筋の形態の差異による血清線維化および炎症マーカー、心臓MRI所見、背景因子の違いを検討した。線維化マーカーの解析はほぼ終了しているが、心臓MRIの画像解析については半数の症例しか終了しておらず、今年度中に全症例につき解析を終了する予定である。
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