研究課題
スーパーコンピュータを用いての工学的アプローチとして、仮想心臓モデルによる心室細動の電気生理現象シミュレーション解析を行った結果、再分極異常および脱分極異常によって旋回性興奮の誘発が高まり、これらに自律神経活動異常が絡むことで、致死性不整脈(心室細動)の持続が容易となることが明らかとなった。工学的アプローチで得られた研究成果を基に、臨床的アプローチとして24時間Holter心電図を用いての脱分極(伝導)異常、再分極異常、自律神経活動異常を反映する指標の同時測定を実際の患者で行った。対象としたのは、心筋梗塞または拡張型心筋症によって左室心筋障害をきたした患者であった。Holter心電図で記録された心電図波形は、特殊解析装置を用いて個々の患者で分析された。評価されたのは、脱分極異常指標である心室レイトポテンシャル(late potentials:LP)、再分極異常指標であるT波オルタナンス(T-wave alternans:TWA)、自律神経活動異常指標である心拍タービュランス(heart rate turbulence:HRT)と心拍減速キャパシティ(heart rate deceleration capacity:HRDC)であった。いずれの指標も心イベント(心臓死と致死性不整脈発現)との間に有意な関連性が示されたが、多変量解析の結果、最も関連性があると判断されたのはのはHRTであった。以上の結果から、自律神経活動異常を反映する心拍タービュランスが、心筋梗塞あるいは拡張型心筋症によって左室心筋障害をきたした患者のリスク層別化に最も有用な予知指標であると考えられた。
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