メタボリック症候群により促進される心房筋リモデリングの機序を明らかにするために、ビーグル犬を用いた実験を行った。高カロリー食を給餌し、高頻度心房刺激を行ったMetS-AF群および通常食に同様の刺激を行ったAF群は、通常食の給餌のみの対照群に比較し、左房・肺静脈不応期が短縮していた。心房細動持続時間は、対照群、AF群、MetS-AF群の順に延長し、同様に組織学では左房心筋内心外膜側を中心に脂肪浸潤が増加していた。線維化も同様の傾向を示したが統計的な差はなかった。脂肪浸潤の程度は不応期の短縮と相関していた。以上から、左房心筋内への脂肪浸潤が、心房細動リモデリングの進展に寄与する可能性が示唆された。
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