心不全の進展・悪化において、心筋細胞は病的肥大を呈し、胎児遺伝子プログラムの再誘導を伴う。転写コアクチベーターであるp300は内因性ヒストンアセチル転移酵素(HAT)であり、心筋細胞肥大における遺伝子発現制御に重要な役割を果たしている。p300HAT活性阻害作用を有する天然物、クルクミンが心不全の進展・悪化を阻止することを示した。今回、他の主要なクルクミン類縁体、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミンも、クルクミンとほぼ同程度にp300 HAT活性及び心筋細胞肥大を抑制することを示した。3 つの化合物の構造上の違いは、p300HAT活性と心肥大抑制効果には無関係であると考えられた。
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