研究課題
1)これまでに38例(前年度と比べて+13例増加)のヒト剖検心を用いたMRIでの冠動脈プラーク評価を行い、その病理組織学的意義・MRI画像および血管内画像診断法との対比を病理部と行なった。冠動脈病理組織像とMRI画像ライブラリーを作成し解析中である。2)オメガ-3エチル脂肪酸(EPA/DHA製剤)を虚血性心疾患患者に対して投与し、投与前後で冠動脈MRI画像を撮像する前向き薬物介入試験は、新規に40例を登録し60例となったた(目標90症例)。3)15例に対して冠動脈MRI検査とFDG-PET撮像を行い、HIPとFDGの相関関係を評価した。4)従来のMRIでの高輝度冠動脈プラーク(coronary high-intensity plaque: HIP)測定法には容積の概念が含まれおらず、より正確な心血管イベントリスク評価のためには不安定プラークの容積を勘案した指標が有用であると考え画像解析ソフト(OsiriX)を使用し、簡便・半自動的に世界で初めて冠動脈HIPを立体的に評価する3次元プラーク評価法に成功した。これまで141例の安定狭心症患者の冠動脈プラークを解析し、冠動脈カテーテルインターベンション(PCI)後の周術期心筋梗塞の有無について検討した。その結果、算出された高輝度プラーク容積が大きい方が、周術期心筋梗塞の発症は多く、HIP容量は、血管内超音波上の脂質プラーク容量と正の相関を認めた。また計測した高輝度プラーク容量は従来のプラーク輝度よりもリスク評価の有用な指標として利用でき、周術期心筋梗塞の独立した予測因子となるとの結果を得た。(申請者実績:2017年3月 日本循環器学会総会で報告した)。
2: おおむね順調に進展している
研究1:ヒト剖検心を用いたMRI画像撮像は昨年20例から38例まで増加し、病理学的特徴とMRI画像の対比を行っている。研究2:オメガ-3エチル脂肪酸(EPA/DHA製剤)を虚血性心疾患患者に対して投与し、投与前後で冠動脈MRI画像を撮像する前向き薬物介入試験は60例まで登録した(目標90例)。研究3:冠動脈HIPを有する15例に対してPET撮像を行い、HIPとFDGの相関関係を評価した
1)ヒト剖検心の冠動脈プラークの病理学的特徴とMRI画像の対比を行った論文化・投稿を行う。2)オメガ-3エチル脂肪酸(EPA/DHA製剤)を虚血性心疾患患者に対して投与する前向き薬物介入試験を目標症例まで登録する。3)冠動脈HIPを立体的に評価する3次元プラーク評価法と周術期心筋障害の相関をみた研究の論文化・投稿を行う。
ヒト剖検心を用いた病理組織評価に用いる抗体購入を研究進捗状況に合わせて先延ばしにしたため、購入費用および評価に係る経費支出を行わなかったため。
ヒト剖検心を用いた病理組織評価に用いる抗体を購入する。また評価に係る人件費他経費の支出を予定している。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
International Journal of Cardiology
巻: 14 ページ: 341
10.1016/j.ijcard.2016.01.188