研究課題/領域番号 |
15K09115
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
横田 卓 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90374321)
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研究分担者 |
絹川 真太郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60399871)
筒井 裕之 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70264017)
松島 将士 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80552869)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 異所性脂肪 / 心臓周囲脂肪 / ミトコンドリア / 酸化ストレス / 心血管病 |
研究実績の概要 |
まず心大血管手術で採取される心臓周囲脂肪組織のミトコンドリア呼吸能およびミトコンドリア由来の活性酸素種産生能を高感度ミトコンドリア呼吸能測定装置および付属の蛍光吸光度計で安定して測定できることが確認された。冠動脈疾患 (Coronary artery disease; CAD) 群では、Control群と比較して心臓周囲脂肪組織におけるミトコンドリア呼吸能が低下しており、心臓周囲脂肪組織ミトコンドリア機能異常を認める可能性が示唆されている。また心臓周囲脂肪組織におけるミトコンドリア由来の活性酸素種産生能についても、CAD群で増加傾向にあり、CADでは心臓周囲脂肪組織の酸化ストレスが亢進している可能性がある。今後はさらに症例数を増やし、心臓周囲脂肪ミトコンドリア機能に関する各種指標と疾患重症度、心臓周囲脂肪体積、炎症マーカー、酸化ストレスマーカーなどとの相関を調べ、心臓周囲脂肪ミトコンドリア機能異常が心血管病の発症・進展に及ぼす影響について、詳細な解析を行う予定である。これらの解析の後、学会発表および論文投稿を行い、内外に結果を発信していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年6月4日に北海道大学病院自主臨床試験審査委員会で承認され、これまでにCAD 群13例・AS群3例・Control群3例が試験参加した。心大血管手術で採取したサンプルを使用して心臓周囲脂肪におけるミトコンドリア機能解析を行っているが、安定した測定結果が得られており、研究は概ね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
CAD群と比較して、AS群およびControl群の患者数の割合が少なく、AS群・Control群の参加者数を増やすことが今後の課題である。この課題を克服するために、平成28年度よりASを含む心大血管手術件数の多い手稲渓仁会病院が本研究に参加することとなり、準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
心臓周囲脂肪組織におけるミトコンドリア機能に関連する分子の遺伝子発現量を当該年度にまとめて行う予定だったが、サンプル数が十分ではなく、次年度に測定を行う予定となった。
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次年度使用額の使用計画 |
心大血管手術で採取された心臓周囲脂肪組織を用いて、ミトコンドリア機能に関連する分子の遺伝子発現量を測定する。
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