研究課題/領域番号 |
15K09116
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉村 宏一郎 東北大学, 大学病院, 助教 (60375079)
|
研究分担者 |
佐藤 公雄 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (80436120)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / MRI / 右心機能 / 酸素化 / 代謝 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は、予後不良の疾患であり治療法の確立が必要とされている。われわれは、新たな診断法、そして、カテーテルを用いた肺動脈形成術(PTPA) による治療を確立し、その効果の機序を解明することを目標に研究に取り組んできた。現在、64名の患者におけるPTPA治療の効果を検討した。まず、PTPAは糖代謝、脂肪酸代謝に代表される全身の代謝を改善することが示され英文誌に発表した( Circ J. 2016 Feb 24. [Epub ahead of print])。そして、治療の酸素化んかんしても効果があり、それが肺内シャントの改善と官営していることを多数の学会で発表し、現在、英文誌に投稿中である。また、MRIを用いてPTPA前後の肺動脈の血流そして右心機能の改善を示し、左心機能の改善も認めることを多数の学会、英文誌に報告した(Eur Heart J. 2015 Jul 1;36(25):1630.)。また、あらたなバイオマーカーとしてサイクロフィリンAがBNPよりもCTEPH患者の血行動態を反映することを2016年日本循環器学会で報告した。 日本におけるCTEPHの特徴を英文誌に報告した(Int J Cardiol. 2016 Mar 15;207:363-4.)。また、PTPA治療による長期予後においても検討を重ねている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
64名の患者に対しPTPAによる治療を行い良好な結果を得ている。また、それに伴い研究のいても多数の英文誌、海外学会、国内学会で発表ができている。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、順調に症例数を伸ばしているが、今後はいままで得られた研究成果をまとめ、英文誌へ発表する。また、新たな画像診断や呼気ガス分析による早期診断ツールの開発にも力を入れていく。そして、得られた検体より遺伝子を含めた新たなバイオマーカーの可能性を検索していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた研究専用パソコンおよびディスプレイ等の購入を行わなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に本研究専用パソコンおよびディスプレイ等の購入を行う。また、国内および海外学会への参加を計画しており、平成27年度分と併せて執行する。
|