研究課題/領域番号 |
15K09116
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉村 宏一郎 東北大学, 大学病院, 助教 (60375079)
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研究分担者 |
佐藤 公雄 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (80436120)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / 経皮的肺動脈形成術 |
研究実績の概要 |
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は、予後不良の疾患であり治療法の確立が必要とされている。われわれは、カテーテルを用いた肺動脈形成術(PTPA) による治療を確立し、その効果の機序を解明することを目標に研究に取り組んできた。 1.PTPAの効果の検討 2.PTPAの手技安全性の検討 上記について主に検討してきた。そして以下の結果を得ている。 我々が確立したPTPAの方法により脂質代謝、糖代謝などのパラメーターが改善することが全身状態を改善し、予後を改善させることをCirculation Jouenal誌へ報告した(Tatebe S, Sugimura K, etal. Circ J. 2016.80(4):980-8.)。また、PTPAは右心室だけでなく左心室の機能も改善することも明らかにした(Sato H, Sugimura K, et al.Circ J. 2016;80(6):1470-7.)。そしてPTPAは肺内シャントを改善させることで酸素化に対しても効果があることが分かった(Circ J. 2016 80(10):2227-34)。またDual Energy CTはCTEPH患者における重症度を評価できることを明らかにし、新たな画像診断の有用性を示した(Takagi,H, Sugimura K, at al.Eur J Radiol. 2016;85(9):1574-80.)。またCTEPHの原因として、血栓における線溶抵抗性にTAFIが関与することを報告した(Yaoita N, Sugimura K, et al.Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2016;36(6):1293-301.)そして、2009年7月より2016年12月までの84名のCTEPH患者におけるPTPAの長期成績をまとめ、現在英文誌へ投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々が確立したPTPAの方法により脂質代謝、糖代謝などのパラメーターが改善することが全身状態を改善し、予後を改善させることをCirculation Jouenal誌へ報告した(Tatebe S, Sugimura K, etal. Circ J. 2016.80(4):980-8.)。また、PTPAは右心室だけでなく左心室の機能も改善することも明らかにした(Sato H, Sugimura K, et al.Circ J. 2016;80(6):1470-7.)。そしてPTPAは肺内シャントを改善させることで酸素化に対しても効果があることが分かった(Circ J. 2016 80(10):2227-34)。またDual Energy CTはCTEPH患者における重症度を評価できることを明らかにし、新たな画像診断の有用性を示した(Takagi,H, Sugimura K, at al.Eur J Radiol. 2016;85(9):1574-80.)。またCTEPHの原因として、血栓における線溶抵抗性にTAFIが関与することを報告した(Yaoita N, Sugimura K, et al.Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2016;36(6):1293-301.)。
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今後の研究の推進方策 |
2009年7月より2016年12月までの84名のCTEPH患者におけるPTPAの長期成績をまとめ、現在英文誌へ投稿中である。サイクロフィリンAをPTPA前後に測定しており、その結果をによりバイオマーカーとしての意義を解析中である。また、TAFIにおいては動物モデルを作成し、CTEPHの原因としての意義を検討しており、英文誌へ掲載予定である。CTEPHにおける多くの肺動脈病変のOCT画像の解析から最終的にはどのような機序で血流の改善が得られるか、解析中である。また、画像診断ではMRIを用いた4Dflowイメージングを用いて治療の効果判定を行っていおり、その結果についても論文へまとめている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者および研究協力者の海外学会への参加を予定していたが、研究協力者のみが参加することとなり、当初予定していたよりも旅費を削減することができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
国内および海外学会へ積極的に参加して研究発表を行う予定であり、繰り越し分と併せて執行をする。
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