研究課題
体軸方向に多数の検出器列を有する多列CT(multidetector CT; MDCT)が開発され、心臓、特に冠動脈領域でのCTは、低侵襲で冠動脈を評価できる方法として近年臨床の場において広く普及している。2008年に登場した320列MDCTは、心臓全体を1回のスキャンでとらえることができ、従来の64列MDCTと比較して撮影時間の短縮、被ばく量の低減が可能になった。我々は、当院で2014年10月1日から2015年4月30日の間に320列MDCTを用いて冠動脈CT検査を施行した症例のうち1心拍での撮影が可能であった209例を対象とし、低電圧撮像、逐次近似応用再構成技術に加え、脈拍数に応じて再構成法を選択することで従来よりも低被曝かつ正確な診断が可能かどうか検討した。その結果、全例で良好な画質を得ることができた。また、実効線量は従来の再構成法で2.0±0.7mSvであったのに比較して、このたび試みた再構成法(フル再構成法)では0.8±0.3mSvと有意に低被ばくでの撮影が可能であった。320列MDCTを用いて撮影法や再構成法を症例ごとに検討することで、従来よりも低被ばくでかつ正確な診断が可能な画像を撮影することができた。今年度は320列MDCTの低侵襲で正確な診断が可能であることを確認した。本研究は2016年4月当院での病院倫理委員会で承認を得た。来年度より実際の被験者のエントリーを開始する予定である。
2: おおむね順調に進展している
平成27年3月病院倫理委員会にて研究実施の承認を得た。平成29年1月までに60症例を登録する予定である。
前後320列冠動脈CTのコストを科研費で賄い、より患者さんが研究参加に対して負担がないように検討した。
本研究は、心臓リハビリテーションの動脈硬化への影響を冠動脈CTを用いて観察するものである。患者のリクルートに時間がかかり上記金額を次年度へ繰り越したものです。
CT検査は患者負担無しで行うため、CT検査費用を執行予定である。
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