肝臓から分泌されるヘパトカインであるセレノプロテインP (SeP)は、高血糖とインスリン抵抗性の病態形成に関与する。臨床的にインスリン抵抗性は、新規心不全発症の独立した危険因子だが、SePの心不全形成における役割は明らかでない。本研究では、心不全形成にかかわるSePの効果を検討するため、SePノックアウトマウス(KO)に横行大動脈縮窄モデルを作成した。SePKOは、WTと比較し、心不全死が有意に改善した。また、大動脈縮窄2週間後の左室重量、肺重量ならびに線維化の指標は、SePKOで有意に小さかった。これらの検討から、内因性のSePの欠損は圧負荷により誘導される心不全を抑制することが示唆された。
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