研究課題/領域番号 |
15K09141
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
伊藤 浩 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90446047)
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研究分担者 |
中村 一文 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10335630)
三好 亨 岡山大学, 大学病院, 講師 (70444651)
吉田 賢司 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (70532761)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ischemic preconditioning / acute kidney injury / exosome |
研究実績の概要 |
1.ラット造影剤腎症モデルにおけるRIPC後のエクソソームの変化と腎での分子動態の解明 ラットに対して、remote ischemic preconditioningを行い、その前後での血清エクソソームの抽出ならびにエクソソーム内のマイクロRNAのアレイを行った。remote ischemic preconditioningはバンドを用いて、5分間の虚血・再灌流を3回繰り返す方法を採用した。アレイの結果、数種類のマイクロRNAに増加、ならびに現症が認められた。また、同時に、腎臓でのmRNA発現の変化もアレイで検討し、有意に増加、減少したmRNAを同定した。現在、関連のあるマイクロRNAをバイオインフォマティクスを用いて絞り込んでいる。同時に、ラットにおける急性造影剤腎症モデルの確立のため、パイロット実験を行っている。SDラットにindomethacin (10mg/kg)とL-NMAE (10mg/kg)の投与後に造影剤(8.3 ml ioversol/kg)を投与し、24時間で血清クレアチニンが上昇するモデルを考えており、クレアチニンの増加を目安にモデルが安定して作れるように調整中である。今後はこのモデルを用いて、マイクロRNAでの治療介入実験をする予定であり、腎障害の程度などをコントロールできるようにする必要がある。
2.ヒトでのRIPC後の血液中のエクソソームの質的・量的変化の解明 また、健常人でもRIPCを行い同様のエクソソームの変化をマイクロRNAアレイにて検討している。RIPCにて血清中のエクソソームの量自体が増加するという既報があり、その検証を行っているが、今のところ有意な増加は認められていない。エクソソームの量的・質的な変化をさらに調べていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラットにおいてremote ischemic preconditioningを行い、その前後での血清からエクソソームの抽出を行い、そこからのマイクロアレイも予定通りに終了している。候補となるマイクロRNAの絞り込みも進んでおり、予定した計画と照らしてもおおむね順調に進展していると考えている。しかし、腎症モデルの確立に時間を要しており、対応が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
腎症のモデルの確立に時間がかかっており、共同研究者との連携をより積極的に行っていく。当初の予定以外の腎症モデルがないかも検討を行いながら、remote ischemic preconditioningによって変化したマイクロRNAの病態との関連が明らかに出来るように計画を修正していく。
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