研究課題
1.ラット造影剤腎症モデルにおけるRIPC後のエクソソームの変化と腎での分子動態の解明:ラットに対して、remote ischemic preconditioningを行い、その前後での血清エクソソームの抽出ならびにエクソソーム内のマイクロRNAのアレイを行った。remote ischemic preconditioningはバンドを用いて、5分間の虚血・再灌流を3回繰り返す方法を採用した。アレイの結果、数種類のマイクロRNAに増加、ならびに減少が認められた。また、同時に、腎臓でのmRNA発現の変化もアレイで検討し、有意に増加、減少したmRNAを同定した。さらに、関連のあるマイクロRNAをバイオインフォマティクスを用いて数種類に絞り込むことができた。2.ヒトでのRIPC後の血液中のエクソソームの質的・量的変化の解明:健常人でもRIPCを行い同様のエクソソームの変化をマイクロRNAアレイにて検討している。ヒト由来、ラット由来のエクソソーム内のマイクロRNAの発現プロファイルの比較、クラスター解析を行い、両データから共通で変化するmicroRNAの中から、25-5p、23b-3p、27b-3p、133a-3p、205-5p、99a-3pをピックアップした。3.ラット造影剤腎症モデルにおけるエクソソーム関連microRNA mimicの効果の検討:ラットにおける急性造影剤腎症モデルの確立をもちいて、実験を行った。SDラットにindomethacin (10mg/kg)とL-NMAE (10mg/kg)の投与後に造影剤を投与し、造影剤腎症モデルの作成を行った。現在、候補のmicroRNA mimicでの治療介入実験を継続しており、腎障害の軽減につながる新規治療戦略開発に繋げたいと考えている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
Int J Cardiol.
巻: 236 ページ: 36-42
10.1016/j.ijcard.2017.02.028.
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