研究課題/領域番号 |
15K09144
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
的場 聖明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10305576)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 心不全 / ミトコンドリア / アミノ酸 / D-アミノ酸 / キラルアミノ酸 / D-グルタミン酸 / 9030617O03Rik / D-グルタミン酸シクラーゼ |
研究実績の概要 |
新規分子Xは、9030617O03Rikであり、その作用を論文発表とプレスリリースを行った。 これまでの研究成果は、次の通りである。 心不全において、これまで哺乳類には存在しないと考えられていたアミノ酸(D-グルタミン酸)に関わる酵素が減少していることがわかり、酵素の遺伝子を除去したマウスでは、哺乳類ではじめて、心臓にD-グルタミン酸が蓄積していることがわかった。要点は下記である。 ①心不全で減少する機能未知の新規ミトコンドリアタンパク質;9030617O03Rikに注目し機能解析を行いました。②9030617O03Rik欠失マウスの心臓におけるアミノ酸測定により、D-グルタミン酸が有意に蓄積することが確認され、酵素学的検討によりD-アミノ酸シクラーゼであることを初めて同定した。③哺乳類において組織内にD-グルタミン酸が確認され、D-グルタミン酸シクラーゼが同定されたのは世界初の知見であり、D-グルタミン酸の代謝制御の更なる研究が心不全治療法の開発に新たな知見を与えられることが期待される。 永らく生物界においては細菌の細胞壁などの例外を除き、L-アミノ酸のみが存在すると考えられてきた。しかし近年の測定技術の進歩により様々な遊離型のD-アミノ酸やD-アミノ酸を含むタンパク質がヒトを含む哺乳類にも存在し様々な生理活性を有することが明らかになってきていた。しかし心臓におけるD-アミノ酸の存在や代謝経路に関する報告はこれまでに報告されていなかった。今回の研究成果により、哺乳類の心臓において心不全状態でD-グルタミン酸シクラーゼの発現が減少し、D-グルタミン酸が蓄積することが初めて明らかとなり、今回の我々の発見は、心不全の病態解明に寄与し、将来的にD-グルタミン酸の代謝制御による新規治療法の開発に大きく貢献すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文発表後も詳細な病態生理学的研究継続している。
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今後の研究の推進方策 |
心不全における酵素学的変化と代謝に及ぼす影響の検討をノックアウトマウスの解析を通じて継続する。
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