研究課題
目的:核内酸性化が核膜ラミナ構造, epigenetics, autophag並びに老化に及ぼす影響についてCF6過剰発現マウス(TG)を用いて検討した。方法:CF6の核膜構成蛋白ならびに核クロマチン構造に及ぼす影響、CF6過剰発現マウス由来心線維芽細胞と野生型マウス由来心線維芽細胞並びにCF6投与した野生型マウス由来細胞の核膜ラミナ構成蛋白発現とhistone methylation, acetylationをWestern blot法で検討する。1.核膜lamina構造: 核の形態とheterochromatinを観察し、lamina構成蛋白をwestern blot 法で測定した。2.Epigeneticsの評価:Histone acetylation並びにmethylationをwestern blot 法で測定した。結果:1.核膜lamina構造: TGの心臓・腎臓では核の変形とheterochromatin のfragmentationが認められた。Lamina構成蛋白では、TGでlamin A/Cとemerinの発現低下が認められたが、BAF発現は両群で差がなかった。Lap1 (emerin類似作用蛋白) の代償性増加は認められなかった。2.Epigenetics作用:TGの心臓・腎臓では、heterochromatin markerのhistone 3 lysine 9 trimethylation (H3K9me3) 並びにH3K27me3の軽度低下と老化マーカーのH3K4me3並びにH4K20me3の増加 (demethylase低下に起因) が認められた。また、emerin低下を介したHADC3の発現・活性低下によりH4K5 acetylation (ac)の亢進が認められた。結論:CF6は核内酸性化を介して核膜ラミナ構造特にlamin A/Cとemerinの産生障害を惹起し、老化と寿命を規定する可能性がある。
2: おおむね順調に進展している
当初の予定通り、CF6の核膜構成蛋白ならびに核クロマチン構造に及ぼす影響についてCF6過剰発現マウス由来心線維芽細胞と野生型マウス由来心線維芽細胞並びにCF6投与した野生型マウス由来細胞の核膜ラミナ構成蛋白発現とhistone methylation, acetylationをWestern blot法で検討し、結果が得られた。
CF6の核膜構成蛋白ならびに核クロマチン構造に及ぼす影響:CF6過剰発現マウス由来心線維芽細胞と野生型マウス由来心線維芽細胞並びにCF6投与した野生型マウス由来細胞の核膜ラミナ構成蛋白発現とhistone methylation, acetylationをWestern blot法で検討する。CF6の老化機序の検討:Autophagy関連分子の蛍光免疫染色とhistone修飾によるAtg7発現調節機構をCHIP assay法で解明する。IF1のCF6老化促進機構に及ぼす影響:F1発現ベクターをtransfectionしたCF6過剰発現マウス由来心線維芽細胞を用いて、核膜ラミナ構成蛋白発現とhistone methylation, acetylation, autophagyに及ぼす影響を検討する。
研究の進行状況から必要最低限の物品を購入したため、次年度使用額が生じた。
CF6の核膜構成蛋白ならびに核クロマチン構造に及ぼす影響及び老化機序の検討のため、試薬等を購入する予定である。
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