研究課題
【肺高血圧モデルラットにおけるナノメディシンの開発】乳酸・グリコール酸共重合体(co-poly-lactic/glycolic acid: PLGA)をナノ粒子化し、イマチニブ、ベラプロストを封入した薬剤封入ナノ粒子を、モノクロタリン誘発性ならびにsugen-hypoxia誘発性肺高血圧症モデルラットにおいて、気管内投与すると右室収縮期圧を低下させ、右室肥大を抑制した。すなわち肺高血圧の改善を引き起こした(Nakamura et al. J Clin Med. 2017, 中村一文 最新医学 2017)。これらのナノ粒子は肺動脈性肺高血圧症(PAH)の肺動脈平滑筋細胞の増殖を抑制する。【PAH患者の肺動脈平滑筋細胞におけるRAGEシグナル抑制による過剰増殖に対する効果の検討】特発性PAHと遺伝性PAH由来の培養肺動脈平滑筋細胞において検討したところ、RAGEならびにRAGEのリガンドであるS100A8/9蛋白の発現が無刺激下に増強しており、さらに血小板由来増殖因子(PDGF)刺激にてRAGEの発現は増加した。PAH肺動脈平滑筋細胞の増殖は無刺激・PDGF刺激のいずれの状態においてもPAHのない対照(control)の肺動脈平滑筋細胞より亢進しており、TIR/BB-loop類似構造体(mimetic), AS-1 にてTIRAP機能を抑制してみると、無刺激ならびにPDGF刺激のいずれの増殖反応も抑制した。すなわちPAH患者の肺動脈平滑筋細胞において、一部はRAGEの発現増強を介して、過剰な細胞増殖がひきおこされており、TIRAP機能抑制を介してRAGEシグナルを抑制することが治療につながる可能性が示された(現在論文revision準備中)。
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