研究課題/領域番号 |
15K09168
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
渡部 聡 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50529740)
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研究分担者 |
各務 博 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30418686) [辞退]
吉澤 弘久 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (50282984) [辞退]
三浦 理 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (70420320) [辞退]
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Adoptive immunotherapy / PD-1 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、進行期肺癌患者に対する化学療法とT細胞移入、免疫抑制細胞除去を組み合わせた新たな抗腫瘍免疫療法を確立することである。申請者らは、化学療法や照射後のリンパ球減少状態からの回復期において、ナイーブT細胞が弱い腫瘍抗原刺激でも抗腫瘍エフェクターT細胞 (Teff) に分化可能であることを示してきた。一方で化学療法後には抑制性T細胞 (Treg) を含めた免疫抑制細胞が急速に増加し、担癌宿主の抗腫瘍免疫応答を抑えることも発見し報告した。 近年抗PD-1抗体による高い治療効果が報告され、進行期非小細胞肺癌の標準治療の一つと位置づけられた。抗PD-1抗体治療のバイオマーカーとして腫瘍のPD-L1発現強度が知られているが、PD-L1発現の機序を考慮すると、抗PD-1抗体治療前にエフェクターが存在していることが重要と考えられる。申請者らは、マウスを用いてhomeostatic proliferationを利用したナイーブT細胞からのTeffの誘導と抗PD-1抗体治療を組み合わせ、高い治療効果が得られることを発見した。この治療効果は、腫瘍のPD-L1発現に関係なく得られていた。腫瘍組織に浸潤している免疫細胞の検討により、PD-L1は腫瘍浸潤リンパ球に主に発現しており、Teff上のPD-1を介して免疫を抑制している可能性が考えられた。今後はさらに検討を進め、免疫抑制系細胞の解除による治療効果増強を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな嘆願宿主のコンディショニングの方法として、別の機序による免疫抑制の解除を試み、おおむね成功しているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまではマウスの腫瘍移植モデルを用いて実験を行ってきた。現在ヒトdriver mutationを遺伝子導入したマウスモデルの確立を試みているこのマウスを用いることで、より患者に近い免疫状態の担癌モデルマウスを作製可能であり、臨床応用に近い免疫療法を開発可能であると思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の人事異動に伴い、予想よりも使用額が少なくなりました。
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次年度使用額の使用計画 |
研究代表者が異動となった研究分担者の担当予定であった実験を補完するため、予算は消化される予定です。
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