研究課題
我々は、Sarcoidosis(Sa)に胸部CT所見が類似するIgG4関連疾患(IgG4-RD)とSaの気管支肺胞洗浄(BAL)液中サイトカインを比較し、前者がTh2、後者がTh1優位であることを報告した(ERJ Open Res. 1(2) (2015) pii: 00009-2015.)。本研究では同一症例のBAL液を用いて、ケモカインに関して検討した。対象は、2007年から2014年の期間に当科で経験したIgG4-RD :11例(中央値62(50~78)歳、男女比=9:2)とSa:33例(中央値53(21~77)歳、男女比=9:24)。全例に両側肺門・縦隔リンパ節腫脹(BHL)があった。Saは全例が病理組織で肉芽腫が認められた症例であった。IgG4-RDは全例に呼吸器病変があり、包括診断基準に基づいて診断した。MILLIPLEX MAPキット (Millipore社)を使用し、BAL液中の12個のケモカイン(CCL21、 CXC chemokine ligand [CXCL]13、 CCL27、 CXCL5、CCL24、CCL26、CCL1、CCL8、CCL13、CCL15、CXCL12、CCL17)を測定した。結果は、IgG4-RD群でCCL26が、Sa群でCCL1が有意に高値であった。さらにSa群ではBAL液中CCL1とBAL液中総細胞数、リンパ球数、TNF-α、IL-2との間に有意な相関が認められた。 以上から、SaのBAL液中CCL1がTh1と関連した病勢を反映する可能性が示唆された。上記の結果について、日本サルコイドーシス/肉芽腫症学会、日本呼吸器学会総会で発表した。その後、英語論文を作成し、Cytokine誌に掲載された。
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Cytokine
巻: 120 ページ: 125-129
10.1016/j.cyto.2019.04.017.[Epub ahead of print]