研究実績の概要 |
ヒト肺小細胞がんの細胞株であるNCI-N417を用い、塩酸イリノテカンの耐性細胞(NCI-N417-CPT11R)を作成した。ヌードマウスにNCI-N417とNCI-N417-CPT11Rを移植した。腫瘍が局所で増大する時期に、塩酸イリノテカンを通常法(週1回腹腔内投与×3週)、抗血管療法(連日投与×3週)、血管新生阻害薬投与(×3週)、コントロールの4群の比較試験を行なった。治療後に得られたヌードマウスの癌組織を用いて、免疫組織学的な検討を行う。検討項目は、血管新生促進因子 であるVEGF、bFGF, IL-8、腫瘍における血管新生の評価としてCD31、細胞増殖能としてBrdU, アポトーシスとして TUNELの各因子とする。摘出肺腫瘍のホルマリン固定後パラフィン包埋し,4μm の薄切切片を作成した。脱パラ フィンを行った後,VEGF、bFGF, IL-8, CD31のそれぞれの抗体により、自動免疫染色装置を用いて免疫染色を行った。染色性は,3名の判定者の平均値で判定し,VEGF、bFGF, IL-8については、陽 性細胞率(<10%, 25%, 50%, 75% and 100%), 染色強度(none, 0; weak, +1; moderate, +2; and strong, +3),両者 の合計スコア(Histrogical score)で判定した。抗腫瘍効果と抗血管新生作用の評価を行い、臨床試験の投与スケジュールの基礎データとする。
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