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2017 年度 実績報告書

間質性肺炎における新規脂質メディエーターの役割の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K09180
研究機関鹿児島大学

研究代表者

渡辺 正樹  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (90398298)

研究分担者 井上 博雅  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30264039)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード間質性肺炎 / アンジオポエチン様因子2
研究実績の概要

脂質メディエーターは、生活習慣病の他にも慢性炎症を基盤とするアレルギーや癌の病態に関与するなど、多彩な機能を有することが明らかになりつつある。本研究は、これまで肺における作用を報告されていない新規脂質メディエーターに着目して、難治性呼吸器疾患である間質性肺炎 (Interstitial Pneumonia:IP) の病態における役割の解明を目的としている。
昨年度までに、新規脂質メディエーターであるアンジオポエチン様因子2 (Angiopoietin-like protein2:Angptl2) が野生型マウスのナイーブ肺ではⅠ型、Ⅱ型肺胞上皮細胞と肺胞マクロファージに発現していること、IP病変部ではAngptl2が強発現していること、肺胞洗浄液ではAngptl2蛋白濃度が上昇していること、Angptl2欠失マウスにIPを誘導すると病態が増悪すること、肺局所由来のAngptl2が関与していることを確認した。以上から、肺局所由来のAngptl2がIPの進行を抑制する作用を有する可能性を見出した。
本年度は、Angptl2がIPの進行を抑制する機序を解析した。In vitroでAngptl2を線維芽細胞に添加すると、線維化促進因子であるTGF-β自体の発現には影響を及ぼさなかったが、TGF-βを活性化するThrombospondin1 (TSP-1) およびTGF-βの下流シグナルに属するCOL1A1やCOL1A2の発現は有意に低下した。
間質性肺炎の病態へのAngptl2の関与を示した報告はこれまでなく、新しい観点による病態解明と新規治療法の開発につながる極めて重要な成果である。

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公開日: 2018-12-17  

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