研究課題/領域番号 |
15K09184
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
大久保 仁嗣 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70408144)
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研究分担者 |
新實 彰男 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30252513)
難波 大夫 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40381793)
森山 悟 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50551264)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ボリュームレンダリング法 / 間質性肺炎 |
研究実績の概要 |
申請者はボリュームレンダリング法で間質性肺炎患者のCT画像を再構築し、3次元で局所肺構造を可視化させることに成功している。この技術を間質性肺炎の病型診断に利用しようとするのが本研究の主目的である。今回の研究の基礎データとなる研究成果を国内学会、国際ワークショップで発表し、また国際誌に原著論文として発表した。ボリュームレンダリング法による3次元画像の再構築の作業は、これまで既存のワークステーションを使用していた。それに加えて2015年12月に専用ソフト・ビジュアルボード内臓専用PCの購入と設置を行った。これによりさらに精密でかつスムーズなボリュームレンダリング法による3次元CT画像の構築が可能となった。これは当該年度の重要な成果といえる。症例集積は若干の遅れがあるが、昨年の秋以降から増加傾向にあり、現時点で間質性肺炎の外科的肺生検を行った3症例、肺癌合併間質性肺炎で肺葉切除術または肺部分切除を行った10症例のエントリーを行っている。また対照として匿名化された93症例の外科的肺生検を施行し最終診断した特発性肺線維症患者のCT画像を他院より頂戴している。これは本研究の対象とは異なるが非常に参考になるデータとして活用できるものであり、当該年度の成果の一つであるといえる。構築された3次元CT画像をリアルタイムに様々なアングルから観察し、肺血管、気管支、正常肺部分などの正常構造物と、線維化、嚢胞、気腫などの異常構造物の形態、位置関係を詳細に記録する作業を進めている。この作業は、本研究の目的に大きな意味を持つ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ボリュームレンダリング法による3次元画像の再構築の作業は、これまで既存のワークステーションを使用していた。それに加えて2015年12月に専用ソフト・ビジュアルボード内臓専用PCの購入と設置を行った。これによりさらに精密でかつスムーズなボリュームレンダリング法による3次元CT画像の構築が可能となった。これは当該年度の重要な成果といえる。症例集積は若干の遅れがあるが、昨年の秋以降から増加傾向にあり、現時点で間質性肺炎の外科的肺生検を行った3症例、肺癌合併間質性肺炎で肺葉切除術または肺部分切除を行った10症例のエントリーを行っている。また対照として匿名化された93症例の外科的肺生検を施行し最終診断した特発性肺線維症患者のCT画像を他院より頂戴している。これは本研究の対象とは異なるが非常に参考になるデータとして活用できるものであり、当該年度の成果の一つであるといえる。構築された3次元CT画像をリアルタイムに様々なアングルから観察し、肺血管、気管支、正常肺部分などの正常構造物と、線維化、嚢胞、気腫などの異常構造物の形態、位置関係を詳細に記録する作業を進めている。この作業は、本研究の目的に大きな意味を持つ。本研究の実質的な価値は、対象構造の形態を、①読影者による観察分析、②数学的理論に基づくテクスチャ解析の2方法を用いて分類あるいは数値化することである。後者に関しては、検討中の段階でありまだ十分な成果が得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の実質的な価値は、対象構造の形態を、①読影者による観察分析、②数学的理論に基づくテクスチャ解析の2方法を用いて分類あるいは数値化することである。そのため成功に向けて詳細な観察分析およびソフトウェアを駆使した複数のアプローチで解決に結びつける。得られた結果を病理診断、最終診断、経過を含めた臨床情報と比較することで、3次元構築画像の診断的有用性を明らかにすることが目標である。そのための呼吸器科医師、放射線科医師、病理医師で合同カンファレンス(MDD:multi-disciplinary discussion)の準備を行っている状況である。また病理ルーペ像との対比をこの研究で行う予定であるが、現状ではまだできていない。まずは病理組織のHE染色像をPCにとりこみ、その形態的特徴を詳細な観察により抽出し、3次元CT画像との対比を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に専用ソフト・専用PCを2台購入予定であったが、対象症例数がまだ多くないことや、1台の値段が高額であったこともあり1台のみの購入とした。そのため次年度以降に使用額を繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
【消耗品費など】病理検査で使用する免疫組織染色を行うために抗体、統計解析ソフト、記録用ハードディスク、印刷紙、トナーなど。【国内旅費および海外旅費】研究成果発表を積極的に学会にて発表するための旅費。【その他】論文執筆時の英文校正費用。
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