研究課題
研究代表者の十合はオンコリスバイオファーマ社との共同研究からテロメスキャンF35は疑陽性白血球細胞を完全に排除可能で非小細胞肺がんのCTCを高感度に測定が可能であり、特にEMT-CTCがより鋭敏な抗がん剤感受性/組織学的浸潤度予測の有用な臨床マーカーでなることを報告した(Oncotarget. 2017.Togo S. et al)。研究代表者はCTCからFISH法によりALK阻害剤が有効な肺がんのDriver変異であるEML4-ALK遺伝子変異陽性患者を検出することが可能となり、ALK阻害剤投与における非侵襲的な液体生検でテロメスキャンF35によるCTCで評価可能であることを確認した。同手法を用いて、極めて希少なEML4-ALK遺伝子変異陽性肺扁平上皮癌患者などのALK阻害剤投与後のALK-FISH陽性CTCを測定し、ALK阻害剤の奏効・耐性獲得機序の解析を行った。ALK阻害剤奏効例では、治療耐性の予測されたEMT-CTCが存在するものの、数は減少していた。一方で、依然ALK-FISH陽性CTCが存在するにも関割らずALK阻害剤が全く奏効しない症例を認め、EML4-ALK遺伝子変異のOff target獲得耐性機序が予想された。EML4-ALK遺伝子変異陽性肺癌におけるALK-FISH陽性CTCがALK阻害剤の奏効・耐性獲得機序の予測マーカーになり得るか、更なる前向き臨床試験による検証が必要と考えられ、臨床試験プロトコール作成上の基盤研究成果となった。次年度より化学療法直前、投与後1コース後に採血してCTC数を測定する。実際の抗がん剤の奏効とCTCの経時変化の解析から抗がん剤の奏効予測、再発/耐性予測バイオマーカーとしての有用性を検証する前向き臨床試験へ展開する。
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