研究課題/領域番号 |
15K09214
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30291397)
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研究分担者 |
榎本 紀之 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50436961)
中村 祐太郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60436962)
永田 年 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90275024)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 樹状細胞 / ワクチン / 結核 |
研究実績の概要 |
昨年度,マウス骨髄から樹状細胞(BM-DC )を分化誘導し,結核菌の感染防御蛋白(Ag85A, Ag85B, MPT51)のリコンビナント蛋白を結合させた生分解性ポリマーであるpolylactic coglycolic acid(PLGA)ナノ粒子を添加し,ナノ粒子DCワクチンを作製した.ナノ粒子DCワクチンは,MHCクラスII抗原,共刺激分子の発現が増強し,抗原提示能が高まることが確認された.そこで,今年度は,この結核菌の感染防御蛋白を結合させたナノ粒子を添加した抗結核ナノ粒子DCワクチンを,実際,マウスに接種して,結核菌特異的免疫応答が効率よく誘導されるか否かについて検討を加えた. ナノ粒子DCワクチンをナイーブマウスに接種した2週間後に,脾臓を摘出し,結核菌特異的CD4陽性T細胞,細胞障害性T細胞(CTL)の誘導能についてそれぞれ検討した.Ag85A,Ag85B,MPT51由来の既知あるいは我々の発見したdominant epitopeとBALB/cマウスのMHC class I,あるいはclass II分子5量体との複合体(pentamer)を合成しこのpentamerを用いることによって,epitope特異的CD4陽性T細胞とCTLを数的に評価した.その結果,ナノ粒子DCワクチン接種によって,結核菌特異的CD4陽性T細胞を効率よく誘導することが確認できた.一方,特異的CTLの誘導は十分ではなく,ワクチン作製のさらなる改良が必要と考えられた
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,当初,結核菌の感染実験まで行う予定であったが,結核菌特異的免疫誘導の検証実験に手間取ったため,本年に行うこととなった
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今後の研究の推進方策 |
本課題で作成したナノ粒子DCワクチンは,in vivoにおいて,結核特異的CD4陽性T細胞は十分誘導できるが,CTLについては誘導能が弱かった.そのため,ナノ粒子の作成方法や,リコンビナント蛋白との結合方法などについて,さらなる改良を試みる.さらに,誘導される結核菌特異的CD4陽性T細胞,CTLの機能的評価も行う予定である.その後に,当初の予定の感染実験に移行したい
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