研究課題/領域番号 |
15K09215
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中村 祐太郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60436962)
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研究分担者 |
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30291397)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 細胞性免疫 / 樹状細胞 / 肺癌 / 肺線維症 / 免疫療法 |
研究実績の概要 |
肺癌は本邦で最多の癌死の原因であり,甚大な健康被害を与え続けている.一方樹状細胞(Dendritic Cell:DC)を介した細胞性免疫は抗腫瘍免疫に必須の生体反応である.申請者らは,効率的に優れた細胞性免疫をきたす細胞性免疫誘導型DCワクチンが動物モデルにて各種腫瘍および感染症に,極めて有望なワクチンであることを確認,報告してきた.本研究は,細胞免疫誘導型DCワクチンの肺癌患者血液における免疫応答を解析することにより,治療選択の極めて限定されている肺線維症合併例を含む肺癌患者に対し,治療ワクチンとしての研究基盤を確立することが目的である.上記の背景およびこれまでの研究成果をもとに,本研究は細胞免疫誘導型DCワクチンの有用性を確認するため,直接肺癌患者の血液を用いてワクチンおよび治療応用に展開するための基盤となる研究を行っている.平成27年度は,肺癌患者の血液より細胞免疫誘導型DCワクチンおよび通常型DCワクチンを作成し,ワクチンとしての性質を細胞の表面抗原にて確認を行っている.具体的には当院の入院中の肺癌患者から30mlのヘパリン採血を行い,単核球をPercollおよびプラスチック付着法またはCD14+磁気ビーズをにて分離した.GM-CSFとIL-4で6日間培養しDCへと誘導,6日目に細胞性免疫誘導型DCを誘導するため,既に健常者および癌患者での誘導性を確認しているTNF-alpha,IL-1beta, IFN-alpha, IFN-gamma, Poly-I:Cを添加,2日間培養した.一方通常型DCとしてTNF-alpha,PGE2,IL-1-beta, IL-6を添加,同様に2日培養した.培養後フローサイトメトリーにて表面抗原(CD83,CD86)の発現を確認している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在のところ上記のごとく培養方法の確立を行っている.解析機器の不調等により遅延を来しているが,フローサイトメトリーを用いた解析を継続しており,細胞性免疫誘導型樹状細胞であるTNF-alpha,IL-1beta, IFN-alpha, IFN-gamma, Poly-I:C添加樹状細胞および通常型DCとしてのTNF-alpha,PGE2,IL-1-beta, IL-6添加樹状細胞とも概ね良好な細胞の精製が可能となってきている.
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今後の研究の推進方策 |
今後CD40Lを発現させたCD40Lを表出させた細胞で24時間刺激し,上清を回収しELISA法にてIL-12p70の産生を測定し通常型DCとの比較を行う予定である.また健常者の血液をコントロールとして用い同様に比較する予定である.今後安定した樹状細胞の培養が可能となれば,予定通り進展させることができる.作成した細胞性免疫誘導型DCワクチンが肺癌患者において有効に細胞性免疫の誘導がなされているかを確認するため,上記で得られた患者血液からPercollにてリンパ球分画を分離し,更にCD8+T細胞を磁気ビーズにて分離する.その後,抗原(MUC-1またはMAGE-3)とともに細胞性免疫誘導型DCまたは通常型DCと培養し,7日および14日目に再刺激する.また24日目に抗原特異的なIFNgammaの産生をELISPOT法で行う予定である.
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