本研究では、粒子化した合成核酸の経気道投与による呼吸器疾患制御の検証を行った。同所性移植による原発性肺癌モデルの検証では、Th1刺激性合成核酸の経気道投与により得られた治療後長期生存モデルにおける残存腫瘍結節の免疫組織学的解析で、CD3(-)Foxp3陽性細胞を多数認め、未治療群にみられるCD3(+) Foxp3陽性細胞との機能上の差異が示唆されたほか、未治療群にみられるPD-1陽性細胞の著明減少が確認され、長期間の抗腫瘍免疫効果が示唆された。実際に治療生存群では、腫瘍細胞の同所再移植後も無治療で100%の長期生存を達成した。これらの検証により、肺癌に対する局所免疫治療の意義を明らかとした。
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