研究課題
1)2015年末に非小細胞肺がんに対して免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブが保険承認された。これを受けて、現在ニボルマブで治療している患者血清ならびに肺がん組織を免疫学的に解析している。一部の結果では、抗体陰性例においては抗体陽転化している現象がみられ、また生検組織でのリンパ球浸潤の程度と奏功が相関している傾向が見られている。現在、症例を積み重ねており、2016年度中にはある程度の結果が得られると予想している。2)肺癌組織検体を用いて、これまで肺腺癌の予後との関連が明らかな①XAGE1(GAGED2a)発現の有無に加え、②PD-L1、③Galectin-9および④腫瘍浸潤リンパ球の多寡を指標に予後との関連を検討した。①-④の因子を用いて得られた予後判別関数は、肺腺癌患者の予後を明確に判別でき、PD-L1と腫瘍浸潤リンパ球は予後良好因子として、Galectin-9とXAGE1(GAGED2a)発現は予後不良因子として関与していることが明らかになった。得られた判別関数は、病理学的病期、組織の悪性度と独立した予後因子(HR:0.40、P=0.01)であった。【結論】肺がん局所では、腫瘍から放出されるGalectin-9によって抗原特異的T細胞はアポトーシスに陥るため、TIM-3/Galectin-9経路を遮断するがん免疫療法の開発が重要である。(現在、論文投稿中)
2: おおむね順調に進展している
2015年末に非小細胞肺がんに対して免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブが保険承認された。これを受けて、ニボルマブで治療している患者血清ならびに肺がん組織を免疫学的に解析している。一部の結果では、抗体陰性例においては抗体陽転化している現象がみられ、また生検組織でのリンパ球浸潤の程度と奏功が相関している傾向が見られている。現在、症例を積み重ねており、2016年度中にはある程度の結果が得られると予想している。
1)現在、症例を積み重ねており、2016年度中にはある程度の結果が得られると予想している。2)多施設共同研究によって、より早くより多数の症例集積を目指している。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
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http://www.kawasaki-m.ac.jp/resp/