我々は、NO合成酵素(NOS)完全欠失マウスを用いて検討を行った。まず、オボアルブミンを用いて気管支喘息マウスモデルを作成した。その結果、NOS完全欠失マウスでは、好酸球性炎症や気管支壁肥厚、ムチン産生が減少すること、また、肺組織中のIL-4、IL-5、IL-13といったTh2サイトカインが減少することを明らかにした。次に、豚膵エラスターゼを用いて慢性閉塞性肺疾患マウスモデルを作成した。その結果、NOS完全欠失マウスでは、肺胞間隔壁距離の有意な増大、また、炎症細胞の増加が認められた。このように、NOは気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患の病態に深く関与していることが示唆された。
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