MAFBは糸球体上皮細胞(podocyte)に発現しており、その変異が糸球体上皮細胞障害をきたす可能性が考えられるが、その証明はなされていない。MafB -/-マウスは生後すぐ死んでしまうため、MafB+/-マウスを長期間観察し、野生型マウスと比較した。MafB +/-マウスは25週齢では蛋白尿はみられないが50週齢を超えた頃から、蛋白尿を呈した。電子顕微鏡写真では糸球体上皮細胞足突起の癒合を認めた。また、RT-PCRでは足突起関連分子の発現低下を認めた。以上からMafBは糸球体上皮細胞の維持に重要であり、そのハプロ不全は糸球体上皮細胞障害をきたし蛋白尿を呈した。
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