研究課題/領域番号 |
15K09253
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
安田 日出夫 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60432209)
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研究分担者 |
辻 孝之 浜松医科大学, 医学部, 助教 (30464126)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 好中球細胞外トラップ / 急性腎障害 / 敗血症 |
研究実績の概要 |
敗血症性急性腎障害モデルで内因性ミトコンドリア(mt)DNA が大量に全身循環し Toll-like Receptor(TLR)9 のリガンドとして炎症誘発性に働き急性腎障害進展と死亡に寄与することを報告したが、内因性mtDNA が全身循環に至るメカニズムは明らかでない。mtDNA は主に感染巣の炎症細胞死由来であり、壊死細胞から放出されるmtDNA は容易に全身循環へ移行するのに対して好中球細胞外トラップ(Neutrophil Extracellular Traps:NETs)上にあるmtDNA は感染巣に留まること、さらにこの感染巣のNETs の程度はTLR9 経路によって調整を受けるという仮説を立てた。本研究はこれらの仮説を検証するために敗血症性急性腎障害モデルでのNETs の動態と役割を明らかにする 平成27年度はマウス腹膜炎モデルに対して、感染巣である腹腔、ターゲット臓器である腎臓、肺におけるNETsの検出を試みて、免疫染色で同定することに成功した。現在 NETsの定量評価を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NETsは形態学的診断をもって同定するが、実験動物でのNETsの同定は非常に難しい。二重、三重染色を行なってNETsを同定することに成功することができた。
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今後の研究の推進方策 |
感染巣である腹腔内やターゲット臓器である腎臓や肺などのNETsの定量化を敗血症の時間経過とともに評価していく。 さらにDNaseなどを用いてNETsを制御することによって、敗血症での全身循環性および腹水中ミトコンドリアDNA、腎障害などに与える影響を検証していく。
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