目的は、敗血症性急性腎障害における好中球細胞外トラップ(Neutrophil Extracellular Traps:NETs)の動態と役割を明らかにすることである。腹膜炎による敗血症マウスで腹水中にNETsは検出され、腎臓では検出されなかった。NETsの代替マーカーとしての好中球とミトコンドリアDNAは腹膜炎後の腹水に増加しTLR9ノックアウトでさらに増加した。これはTLR9経路によって感染巣のNETsが制御され、感染巣のNETs形成が細菌の除去に寄与していることを示唆した。以上より敗血症性急性腎障害において感染巣NETsの制御によって急性腎障害及び死亡を制御できる可能性がある。
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