本研究は、血管新生抑制因子Vasohibin-1 (VASH1)と血管新生促進因子Vasohibin-2 (VASH2)が急性腎障害(AKI) で担う役割の解明を目的として行った。VASH1ヘテロ欠損マウスではシスプラチン誘発AKIの増悪が認められ、ミトコンドリア抗酸化酵素SOD2の発現低下が示された。培養尿細管細胞へのVASH1の投与はSOD2の発現増加につながった。VASH2ホモ欠損マウスでは虚血再灌流AKIの増悪が認められた。培養尿細管細胞でのVASH2過剰発現はアポトーシスの抑制につながった。以上より、VASH1とVASH2の発現増加はAKIに対する新たな治療戦略となり得る。
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