早期糖尿病性腎症において近位尿細管Sirt1(サーチュイン)の低下が、「尿細管-糸球体連関」の破綻を介し糸球体障害を来すことを報告した。糖尿病では、近位尿細管Sirt1が低下し、その結果Sirt1由来産物のNicotinamaide Mono Nucleitide(NMN)の分泌が減少し、ポドサイトSirt1も低下し、ポドサイトに発現していないtight junctionの構成分子のClaudin1の発現が上昇し、足突起癒合を引き起こし、蛋白尿が出現する事を報告した。これらは尿細管特異的なSirt1Tgマウスで抑制され、尿細管Sirt1の発現保持が糸球体機能維持に繋がる重要性を見出した。
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