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2016 年度 実施状況報告書

敗血症における腎血流と糸球体濾過量のダイナミックCTによる評価

研究課題

研究課題/領域番号 15K09281
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

長谷川 みどり  藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40298518)

研究分担者 湯澤 由紀夫  藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00191479)
外山 宏  藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (90247643)
市原 隆  藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (90527748)
小出 滋久  藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40760913)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードダイナミックCT / 糸球体濾過量 / 腎血漿流量
研究実績の概要

腎移植ドナーと腎機能が低下している腎腫瘍術前の症例を加えて、造影CTによる糸球体濾過量(GFR)、腎血漿流量(RPF)測定の精度を検証した。【対象と方法】生体腎移植ドナー9症例と腎腫瘍1症例を対象とした。造影剤注入後30秒のCT画像において腎動脈が分岐する直前の位置に関心領域(ROI)を左右それぞれ設定し、ROI内のCT値を得た。得られたCT値と撮影時間から時間濃度曲線を作成した。Patlak plot法により有効腎血漿流量(RPF)を算出し、3コンパートメントモデル解析法によりGFRを算出した。初期の6症例は動脈相、静脈相、平衡相、排泄相の4ポイントでの撮影を行い、後期の4症例については静脈相と平衡相の間にさらに1位相追加して5 ポイントで撮影を行った。【結果】4ポイント撮影では一部の症例でCTのGFRとイヌリンクリアランス(Cin)との結果に解離を生じたが、5ポイント撮影とすることにより、両測定法の結果は近似した。5ポイント撮影の結果は症例1:CT based GFR123.4ml/min), Cin115.9(ml/min), 症例2: CT based GFR53.9(ml/min), Cin 42.3(ml/min), 症例3: CT based GFR99.7(ml/min) , Cin 99.3(ml/min),症例4: CT based GFR80.3(ml/min) ,Cin 87.7(ml/min) 。【考察】1位相を追加したダイナミックCTにより、腎機能が低下している症例を含めてイヌリンクリアランスの値と近似する値を算出できるようになった。敗血症患者のGFRは低下しており、1位相を追加した方法であれば、敗血症の患者の評価が可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

やや遅れている要因はイヌリンクリアランスと造影ダイナミックCTによる誤差を検証することに時間を要したためである。改良を要した点は撮影画像の不足であった。静脈相と平衡相の間にさらに1位相追加したことでこの問題は解決した。もう一つの改良点は、当初、心機能による影響で、造影剤が静脈注射されてから、腎皮質に到達するまでの時間に個人差があることを考慮しないで解析していたことにあった。腎皮質の時間濃度曲線が立ち上がってから直線近似範囲の開始点までの時間を統一して直線近似を行って算出するようにしたところ、造影CTのGFRとイヌリンクリアランスの値は近似した結果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

今後は敗血症患者を対象として、造影CTによる腎血漿流量と糸球体濾過量の測定を行い、腎機能正常者との腎血漿流量と糸球体濾過量の比率を比較し、病態解析に役立てる。さらに造影CTから得られる腎血漿流量および糸球体濾過量が、その後の腎予後とどのように関連するかについても検証していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

各種腎障害バイオマーカー測定のにかかる費用を次年度に持ち越すことにした。

次年度使用額の使用計画

バイオマーカ測定のための試薬購入に資金を使用する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 生体腎移植ドナーの分腎機能評価法としてのダイナミック造影CT2016

    • 著者名/発表者名
      岩崎仁、高橋和男、林宏樹、小出滋久、長谷川みどり、伊藤泰平、剣持敬、佐々木ひと美、日下守、白木良一、夏目貴弘、市原隆、外山宏、湯澤由紀夫
    • 学会等名
      第59回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      横浜パシフィコ会議センター、神奈川県横浜市
    • 年月日
      2016-06-17 – 2016-06-19

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公開日: 2018-01-16  

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