研究分担者 |
林 宏樹 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (10378086)
進藤 有一郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60608884)
西村 邦宏 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 室長 (70397834)
小出 滋久 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40760913)
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研究実績の概要 |
本研究は, 中日本呼吸器臨床研究機構が推進する多施設共同前向き観察研究の付随研究として行われた. 全肺炎入院患者1515例のうち, 維持透析患者(24例)および血清Cr値が得られない患者(4例)を除いた1487症例を解析対象とし, KDIGOの定義に従って診断された急性腎障害(KDIGO-AKI)は451例であった. KDIGO-AKIの30日死亡率は18.1%と非AKIの9.0%に対し有意に高く, ロジスティック回帰分析による30日死亡のオッズ比(95% CI)は, AKIステージ1で1.37 (0.89, 2.12), ステージ2で1.70 (0.96, 3.00), ステージ3で2.95 (1.45, 5.99)と算出された.またより入院時のCr値をベースライン値として診断されたAKI(strict KDIGO-AKIは), 解析対象1456例中94例であり, 30日死亡のオッズ比(95%信頼区間)は, AKIステージ1で2.54 (1.34, 4.83), ステージ2で15.72 (4.33, 57.15), ステージ3で58.13 (6.42, 526.50)と算出された. 30日死亡を予測する診断能を評価するため, 既存の肺炎重症度スコアであるPSI, CURB65を比較対象として, さらにKDIGO-AKI, Strict KDIGO-AKIの有無を加えてROC曲線解析を行った. KDIGO-AKIを加えてもAUCに有意差がなかったが, Strict KDIGO-AKIを加えたモデルのAUCは, PSI+strict AKI=0.7848(vs 0.7678, p=0.0467), CURB65+strict AKI=0.7093(vs 0.6688, p=0.0027)と有意に高く, 30日死亡の診断能が増した.
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