短期リン負荷では腎のエリスロポエチン発現は減少するが、貧血は生じなかった。一方、長期負荷をかけると貧血は惹起されるが、腎線維化も惹起されていた。このことは、リン負荷が腎性貧血を惹起することを示しても、「腎機能を悪化させずに貧血を惹起する」というリン性貧血の概念は成立しないことを示す。 そこで当初の仮説を放棄し、長期リン負荷が寿命を短くすることがげっ歯類でも成立するか検証した。マウスにリン吸着薬を投与し2年間観察したところ、オスのみにおいて、3.0%炭酸ランタン追加群で寿命が延びていた。また腎機能に差があったので、低リン食が加齢による腎機能悪化を抑制することが一因と思われ、その機序を今後検証する。
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