1)腎臓におけるヘプシン発現の局在検討:8週齢雄マウスの腎臓においてヘプシン抗体(Cayman Chemical 100022)を用いてimmunohistochemistryを施行し、近位尿細管および遠位尿細管管腔側にヘプシンの発現を確認した。
2)急性リン負荷モデルである無リン食+急性Pi腹腔内投与マウスおよび慢性リン負荷モデルである高リン食(1.2% Pi)負荷マウスにおいて腎臓におけるヘプシンmRNA発現を検討したが、急性リン負荷、慢性リン負荷マウスいずれにおいてもヘプシンmRNAの発現増加は認めなかった。Immunohistochemistry によるヘプシン蛋白発現の検討でも、急性リン負荷、慢性リン負荷マウスいずれにおいてもヘプシンの蛋白発現の増加を認めなかった。NaPi-Ⅱaの発現については、腎臓でのNaPi-Ⅱa抗体を用いたimmunohistochemistryを施行したが、NaPi-Ⅱaを同定できず、抗原賦活化法を変更して再検討中である。
3)Xenopus oocyte系におけるヘプシンによる上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)活性化の測定:リン負荷モデルにおけるヘプシンの発現増加を認めなかったため、ヘプシンと腎尿細管、特に皮質集合尿細管におけるNa再吸収の関与を調べるために現在、MEGAscript T7 Transcription Kitを使用して作製したラットENaCα、β、γサブユニットおよびラットヘプシンcRNA 1ngずつをXenopus oocyteに共発現させ、アミロライド感受性ナトリウム電流(Ina)を測定中である。
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