研究実績の概要 |
(Aim1, 2) 我々は家族性ALSに関与する2つの異なる分子UBQLN2、OPTNが共に蛋白分解に関わるendosomal vesicleに関与しており、endosomeとautopahgyをつなぐ機能を持ち、late-endosomeとは独立したendosomeの新規の蛋白品質管理機構を形成していることを確認した。UBQLN2、OPTNそれぞれの変異が、同一のendosomal vesicleの形成に障害をおよぼすことは、ALSの病態分子カスケードへの関与の可能性を示すとともに、OPTNとUBQLN2がALSの新規病態スペクトルをなしていることを示唆している。 (Aim3, 4) C9orf72遺伝子変異より生じるDRPはタンパク質品質管理機構を障害し、TDP-43の凝集を引き起こして神経を変性させるという病態機序が示唆された。また塩基性DRPであるpoly-GRおよびpoly-PRはRNA結合タンパク質と共局在し、RNA代謝に干渉している可能性も同時に示唆された。C9orf72遺伝子変異による病態仮説には未知の点が多いが、現在ALS/FTLDの病態機序として考えられているタンパク質品質管理機構およびRNA品質管理機構の両方に、DRPを介して影響を及ぼしていると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、下記4つの国際誌に掲載され、十分な成果が得られた。本論文1)はすでに、10の国際誌に引用され,国際的に高い評価を得るとともにALSの病態解明に確かな進捗を認めている。 1)Yamakawa M, et al. Hum Mol Genet. 2015;24(6):1630-45. 2)Osaka M, et al. Hum Mol Genet. 2015;24(6):1617-29. 3)Osaka M, et al. Biochem Biophys Res Commun. 2016;472(2):324-31. 4)Yagi T, et al. J Neuropathol Exp Neurol. 2016 in press
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