研究課題/領域番号 |
15K09326
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
平澤 恵理 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50245718)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヘパリン親和性増殖因子 / 肝細胞増殖因子(HGF) / 細胞外マトリックス / ヘパラン硫酸プ ロテオグリカン |
研究実績の概要 |
ヘパリン親和性増殖因子群の一つである肝細胞増殖因子(HGF)は、神経変性疾患の治療標的の一つとして期待 されるが、臨床応用実現化に向けては解決すべき問題が多い。本研究は、細胞外マトリックスのヘパラン硫酸プ ロテオグリカン(HSPG)を治療標的とし、HGF活性局在と他のヘパリン親和性増殖因子との“シグナルクロスト ーク”の最適化による成体神経新生制御方法開発を目指す。そのため、本研究期間内に、多因子が相補的/競合 的に働くシグナルの“クロストークの場”の可視化と各因子の下流シグナルの特性・可変性を調査する。今年度は,neurosphere法を用いてHGF/c-Met(HGF受容体)/HS鎖、FGF2/HS鎖共局在を検証した。研究室ですでに基礎データを ヘパリン親和性増殖因子の一つFGF2によるneurogenesisシグナルをin vivoで解析し、下流シグナルの変化と加齢の関連性を得た。27年度は、HGF下流シグナルが伝達 の分子局在のダイナミクスを検証するため、透明化した脳を2光子顕微鏡で撮影し、3次元構築し解析する系を確立した。neurosphere 法を用いたin vitroの系ではHGF 、FGF、SHH、HSPGを蛍光ラベルし、その局在を3Dイメージングで可視化することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備的実験はほぼ順調に進んでいる。 タンパク質によってはラベル状況が悪くイメージングがうまく遂行できていないものがある。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年、29年と通して下記を遂行する。 成体神経新生におけるHGF特異的機能の解析として、In vivo解析として脳室内投与実験 HGFの脳室内投与後 神経新生(神経幹細胞の維持と増殖、神経細胞への分化)を定量する。In vitro解析としては、Neurosphere培 養実験、神経幹細胞増殖能アッセイを行う。成体神経新生を模倣する系としてNeurosphere法を用いるが、“細 胞周期リアルタイム観察蛍光プローブ”Fucci“を用いて HGF 投与後のNeurosphere細胞の増殖能の変化を検討 (4Dイメージング)神経細胞分化アッセイでは、神経幹細胞として脳室下帯に留まる細胞数をHGF 投与の有無で 比較検討する。蛍光標識したNeurosphereを分散し、FACS解析にて各細胞の比率を比較検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
幾つかのタンパク質が入手困難であったり、ラベル効率が悪かったために、年度内に進められなかったため、購入予定に遅れが出た。
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次年度使用額の使用計画 |
タンパク質ラベル後の実験系は順調に進んでいるのでタンパク質ラベルの効率化条件が定まれば速やかにin virtro, in vivoの実験系に進むべく試薬などの購入を急ぐ。
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