パーキンソン病(PD)は神経細胞内封入体であるレビー小体(LB)により病理学的に定義される。LBのできる機序は未解明であるが、その主要構成タンパクであるアルファシヌクレイン(AS)の挙動変化がLB形成において中核的役割を担っていると考えられている。ASは細胞膜脂質に結合し、またASの挙動は結合する細胞膜脂質組成により変化することから、PD脳では、神経細胞膜の脂質組成に変化が生じ、これがASの挙動を変化させ、ついにはLB形成に至るとする作業仮説を立てた。これに基づき本研究では, LBを呈する脂質代謝異常症の動物モデルにおいて脳の脂質組成変化を明らかにした。
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