研究課題/領域番号 |
15K09330
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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研究分担者 |
大澤 裕 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80246511)
西松 伸一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20222185)
藤野 雅広 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50633856)
村上 龍文 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30330591)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | カベオリン-3 / 筋ジストロフィー / マイクロアレイ / 治療 |
研究実績の概要 |
骨格筋細胞膜カベオラを構成するカベオリン-3は様々なシグナル分子と結合し活性を調整する足場蛋白質である。われわれが世界に先駆け作出したLGMD1CモデルCAV3P104L マウスはカベオリン-3欠損により筋萎縮を呈する(Ohsawa, et al. J Clin Inv 16, 2006)。一方、筋線維の壊死・不完全再生を特徴とする「ジストロフィー変化」を示すデュシェンヌ型などの筋ジストロフィーでは、共通してカベオリン-3が高発現する。ところが、これらの筋ジス病態におけるカベオリン-3発現上昇の本質的な役割は全く不明である。本研究は、連携研究者大阪大学深田宗一朗博士が作出した重症表現型を示すデュシェンヌ型モデルDBA/2-mdxマウスとカベオリン-3欠損およびカベオリン-3高発現(未発表)マウスを交配する。誕生する二重変異マウスの解析により、カベオリン-3が、「ジストロフィー病態」に抑制的に働くのか、促進的に働くのかを検討する。さらに網羅的遺伝子発現解析によりカベオリン-3を起点とする筋ジストロフィーシグナルを解明し、新規病態介入治療への突破口とする。平成27年度は、大阪大学のBA/2-mdxマウスを実験動物中央研究所でクリーンアップし川崎医科大学に搬入し繁殖・系統維持に成功した。現在、このマウスに、川崎医科大学で繁殖中のカベオリン-3欠損マウス、ないしカベオリン-3高発現マウスをそれぞれ交配させ、二重変異マウスであるカベオリン-3欠損DBA/2-mdxマウス、およびカベオリン-3高発現DBA/2-mdxマウスの作出に取り組んでいる。今後は、これら二重変異マウスと、DBA/2-mdxマウスと骨格筋比較解析によって、カベオリン-3の「ジストロフィー病態」における役割を解明し、併せて、その分子病態と治療応用への可能性を探る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DMDモデルDBA/2-mdxマウス にカベオリン-3欠損、ないし高発現マウスを交配した。F1世代で誕生するヘテロマウスをさらに交配し、F2世代で誕生するそれぞれの二重変異マウスとDBA/2-mdxマウス を比較解析している。平成27年度上半期にはDBA/2-mdxマウスのクリーンアップおよび維持、下半期で、F1世代およびF2世代の作出し、おおむね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度上半期に個体数を増やして骨格筋比較解析、下半期から、骨格筋の網羅的遺伝子解析を実施して、筋ジストロフィーの代表的病型であるジストロフィン欠損筋ジストロフィーに対する、シグナル伝達の足場蛋白質カベオリン-3による筋ジストロフィー病態の制御機構の解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
予算計上していたよりも安価になった為
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度も実験継続の為、前年度の差額と合わせて物品を購入予定
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