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2015 年度 実施状況報告書

多系統萎縮症のバイオマーカー探索

研究課題

研究課題/領域番号 15K09334
研究機関東京大学

研究代表者

三井 純  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70579862)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードコエンザイムQ10 / 酸化ストレス
研究実績の概要

COQ2遺伝子の複合ヘテロ接合性変異が同定されている家族性多系統萎縮症(multiple system atrophy,以下MSA)患者1例,ヘテロ接合性変異が同定されている孤発性MSA患者1例(上記2例をあわせて,COQ2変異有MSA患者とする),変異が同定されていない孤発性MSA患者6例(COQ2変異無MSA患者)と健常対照者6例,型14例の血漿検体を対象にCE-TOFMSおよびLC-TOFMSによるメタボローム解析を行った.
CE-TOFMSはカチオンモード,アニオンモードで測定を行い,ライブラリデータベースに登録されている物質を対象に解析し,168(カチオンモード100,アニオンモード68)のピークが検出された.LC-TOFMSはポジティブモード,ネガティブモードで測定を行い,98(ポジティブ45,ネガティブ53)のピークが検出された.得られた255ピークについて,ライブラリ情報から候補化合物が同定され,それぞれの化合物について相対面積比の算出を行い,群間で比較を行った.
群間の多重検定で統計学的な有意差を持つ化合物は検出できなかったが,化合物のアノテーションを詳細に検討したところ,酸化ストレスに関連する化合物において,COQ2変異有MSA患者,COQ2変異無MSA患者,健常対照者の順に変化しているものが多い傾向が指摘された.
COQ2遺伝子はコエンザイムQ10を生合成する酵素であり,コエンザイムQ10は酸化ストレスに関連する物質であることから,COQ2変異無MSA患者においても,何らかの原因で体内のコエンザイムQ10が低下しているのではないかという仮説が考えられた.
しかし,今回のメタボローム解析では,もともとコエンザイムQ10の評価はできないので,今後の課題とした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り,メタボローム解析を行い,バイオマーカーの候補物質を得ることができた.

今後の研究の推進方策

バイオマーカー候補を血漿のコエンザイムQ10濃度に絞って,多数のMSA患者・対照例で測定し,検討する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Variants associated with Gaucher disease in multiple system atrophy.2015

    • 著者名/発表者名
      Mitsui J, et al.
    • 雑誌名

      Ann Clin Transl Neurol.

      巻: 2 ページ: 417-426

    • DOI

      10.1002/acn3.185

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 多系統萎縮症の遺伝学的検討2015

    • 著者名/発表者名
      三井 純,松川 敬志,佐々木 秀直,矢部一郎,松島 理明,Alexandra Dürr,Alexis Brice,高嶋 博,JAMSAC,NAMSA-SG,辻 省次
    • 学会等名
      第56回神経学会学術大会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ(新潟県・新潟市)
    • 年月日
      2015-05-21 – 2015-05-21
  • [学会発表] Variants associated with Gaucher disease in multiple system atrophy.2015

    • 著者名/発表者名
      Mitsui J, Matsukawa T, Sasaki H, Yabe I, Matsushima M, Dürr A, Brice A, Takashima H, JAMSAC, NAMSA-SG, Tsuji S.
    • 学会等名
      The 67th American Academy of Neurology Annual Meeting
    • 発表場所
      Washington DC (United States of America)
    • 年月日
      2015-04-22 – 2015-04-22
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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