神経変性疾患の病態機序における制御性T細胞の役割を解明することを目的として、筋萎縮性側索硬化症モデルマウスを用いて検討した。SOD1-G93ATgマウスをミッドカイン欠損マウスとの交配で作出したミッドカイン欠損/SOD1-G93A Tgマウスは、SOD1-G93A Tgマウスに比して有意な生存延長を認め、循環血中の制御性T細胞数および腰髄の運動ニューロン数の増加と活性化ミクログリアの抑制を認めた。以上の結果から、ミッドカインの阻害は末梢血中の制御性T細胞増加によるグリア炎症抑制を介して神経保護作用を発揮すると考えられ、神経変性疾患の新たな治療戦略となり得ることが示唆された。
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