研究課題/領域番号 |
15K09343
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河野 祐治 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20333479)
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研究分担者 |
松下 拓也 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00533001)
山崎 亮 九州大学, 大学病院, 講師 (10467946)
吉村 怜 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20596390)
吉良 潤一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40183305)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 多発性硬化症 / レトロエレメント / 病原性Th17細胞 |
研究実績の概要 |
私たちは一卵性双生児の片方がMSを発症し他方が発症してない不一致例での全ゲノム塩基配列解析を行っており,レトロエレメントの挿入部位が一卵性双生児でも異なることが示唆された。MSはIL-17を産生するTh17細胞が惹起するとされ、中でもmulti-drug resistance type 1 を発現するTh17が病原性Th17細胞と目されるようになった。本研究では、①病原性Th17細胞でのレトロエレメントの挿入部位の網羅的解析による同定、②病原性Th17細胞中の髄鞘抗原特異的T細胞の検出、③髄鞘抗原特異的病原性Th17細胞における同定されたレトロエレメント挿入による影響の解析により、MSに特異的なレトロエレメント挿入多型とその影響を明らかにし、当該遺伝子産物を標的とした新規治療の開発をめざす。 これまでのところ,病原性Th17細胞の分離では,予備実験を進めており,最適な刺激条件,抗体反応条件などを検討をしている.しかし,目的とする細胞が元々少ない割合しか含まれてないこともあり,難航している. 一方,レトロエレメント挿入部位の検出方法であるが,このレトロエレメントは受精卵から血球系幹細胞までの間,もしくは,そこからT細胞に分化するまでの段階で新たな挿入が生じる可能性があり,また少数ではあるが,その他のレトロエレメント以外の場所の塩基置換などもあり,それらを同時に解析できるようにこれまで行ってきた全ゲノム解析のデータを用いた一卵性双生児での相違を検出する方法を一般化させ,高感度な解析方法となるように改良を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
病原性Th17細胞の分離では,予備実験を進めており,最適な刺激条件,抗体反応条件などを検討をしている.しかし,目的とする細胞が元々少ない割合しか含まれてないこともあり,難航している. 一方,レトロエレメント挿入部位の検出方法であるが,これまで行ってきた全ゲノム解析のデータを用いた一卵性双生児での相違を検出する方法を一般化させ,さらに高感度な解析方法の確立を目指しているが,そのbioinformatics的手法の開発段階での不都合の修正に想定以上の時間がかかっている.
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今後の研究の推進方策 |
雑多な病院業務の効率化,集約化による研究時間の確保を行う.それに加え,多くの実験系確立の自動化,特にbioinformaticsの関係する部分の高効率化および高精度化を進め,遅れている研究を正常なペースに戻すようにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
病原性Th17細胞の分離培養法の確立,およびレトロエレメント挿入部位検出方法の改良に時間がかかっており,そのため当初計画した研究より遅れが生じていることによる.
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次年度使用額の使用計画 |
研究以外の業務の効率化を行い,研究計画の遅れを取り戻しつつ,最終年度までには全予算執行の予定である.
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