HTLV-1の転写制御因子HBZの塩基配列には2つの型が存在し、A型を持つ感染者はB型を持つ感染者よりHAM発症リスクが約2倍高いことが知られている。本研究では、ウイルス型特異的HBZの標的遺伝子構成の差を明らかにすることでHAMの病態解明と新規治療薬開発につながる研究シーズの発掘を試みた。テトラサイクリン遺伝子発現調節システムを構築して、ヒトCD4陽性T細胞中でウイルス型特異的HBZにより発現誘導される遺伝子を網羅的にスクリーニングした結果、HAMの新規バイオマーカー・治療標的候補となりうる炎症関連遺伝子、免疫老化関連遺伝子、non-coding RNA等の多種多様な候補遺伝子を同定した。
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