研究課題
本研究計画は,アルツハイマー病の大規模臨床観察研究である米国のアルツハイマー病神経画像戦略において取得された安静時fMRIのデータを用いて,ロバストな前臨床期ADの画像バイオマーカー開発を目指すものである. 高齢者の安静時fMRIデータは,高齢者の撮像中の体動が若年者と比較して多くて大きいため,画像にアーティファクトが入るのが解析の支障となっている.高齢者に特化した体動ノイズに対処する強力な画像前処理を行うために,fMRIデータのノイズプロパティ分析を行い,動作補正の剛体運動パラメターを用いたリグレッションと,スパイク的な体動を示したスキャンに対するリグレッションを行い,さらに独立成分分析を用いた体動を含めたあーティファクトのコンポーネントの選択的除去を行うシステムを構築した. また,前臨床期アルツハイマーでは,楔前部・後部帯状回を中心とするデフォルトネットワークの機能的神経結合度の低下が安静時fMRIにて観察される主な所見であるが,病態に即した正確な評価のためには機能的神経結合度も亜病型ごとに異なる関心領域を設定する必要があり,先行研究の結果を参考に関心領域を設定し,安静時fMRIの部分データを用いた予備解析を行い,病態に即した加重係数を加味した指数の妥当性を検討している.また従来のデフォルトネットワーク由来の指標との優劣を比較検討している.さらに,パーセレーションマップに基づく全脳コネクティビティマトリックスを用いた探索的解析も行っている.
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