研究課題/領域番号 |
15K09350
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平山 正昭 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30283435)
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研究分担者 |
中村 友彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00437039)
渡辺 宏久 名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 教授 (10378177)
寳珠山 稔 名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 教授 (30270482)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 反回抑制 / 誘発脳磁図 / 感覚認知 |
研究実績の概要 |
パーキンソン病(PD) 患者の痛みに関する研究として、健常人高齢者と PD での体性感覚誘発脳磁場 (somatosensory evoked magnetic field : SEF) の測定を行い、健常人高齢者と PD においてその反応がどのように異なるかを解明する電気刺激の作成を試みた。対象は健常若年、健常高齢者、PD患者であった。被検者には安静仰臥位にて右手首正中神経に電極をあて 0.2ms の定電流で 2 回連続刺激を行い、それによる誘発脳磁記録から電流推定を行った。定電流の大きさは被験者の親指が動く閾値より約 10% 大きいものとし、連続刺激の間隔 (interstimulus interval : ISI) は 10ms, 20ms, 40ms, 60ms, 80ms, 100ms, 200ms とした。電流の推定位置は、第 1 波と第 2 波がほぼ同じ位置に推定されたが、向きは正反対であった。電流は、単発刺激の電流の大きさ RMS (ピーク時間の電流の大きさを平均した値) を 1 として、各ISI における電流の大きさを健常人高齢者と PD に分けて比で求めた。若年者と高齢者における第 1 波、第 2 波での同様の実験では、t検定をp=0.05で行い、第 1 波では ISI 40ms,60ms,80ms において若年郡が有意に低く、第 2 波では ISI 60ms と 80ms において若年郡が有意に低かった。 PD では第 1 波は若年郡に類似した波形を示したが、第 2 波では高齢郡と類似した波形を示した。現在の結果からは、PDでは、第一波の抑制が強く、第二波との感覚の統御に以上がある可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者リクルートは定期的に行われているため、現在当初の刺激にさらに、その基礎的な反応を検討するプロトコールも同時に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
使用しているソフトを横河製だけでなく、BrainstormなどのPAC解析やconectivityを調べるツールを導入し、感覚に対する脳機能の調整因子を検討するため、タスクの追加と経時的変化を検討している
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度に引き続き研究を行うため
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次年度使用額の使用計画 |
パーキンソン病患者に、反回抑制を用いた感覚抑制の加齢による影響とパーキンソン病による変化の両者に検討を加える。抑制性の脳機能の検討として具体的には2重刺激による体性誘発脳磁図や聴性誘発脳磁図の回復曲線を解析する。MRIは脳容積画像(3DMP-RAGE)、脳神経回路解析用画像として拡散画像と安静時脳機能MR1を測定する。炎症マーカーとして、尿による8-OhdG、血液マーカーは炎症マーカーを中心として測定する。高次脳機能検査として、MOCA-J、FAB,MMSEを行う。パーキンソン病患者にはMDS-UPDRSを測定する。
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